雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

国民一人10万円

  安倍首相は、新型コロナウィルスの影響による減収世帯への30万円給付を撤回し、国民1人当たり10万円を給付する方針を示した。 まったくの愚策である。

 リーマンショック後の2009年に麻生政権が実施した1人当たり1万2千円の給付が何の意味もなさなかったことを忘れたのだろうか?

 そもそも今回は、新型コロナウィルスの影響により収入の激減した人に対する生活支援が待ち望まれているところであり、収入が減ったわけでもない正社員や年金生活者まで対象とすることにより、肝心の最もお金を必要とする人には当初案よりも大幅に少ない金額しか行き渡らないことになってしまった。

 しかも、支給総額たるや、当初の減収世帯への30万円給付の3倍の12兆円に上ると言うのだから、壮大なるバラマキである。

 同じ金を使うのなら、減収世帯のほか、新型コロナウィルスの影響で現場が破綻しそうになっている医療や福祉のテコ入れに使うことが国家百年の計に沿うことではないのか。