雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

火鉢

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 いつの間にか4月も中旬となり、座敷で使っている火鉢も仕舞っていい頃なのだが、お天気もはっきりせず、うすら寒いような風が吹く日が続いているので、もう半月くらいこのままにしておこうと思う。

  それに、今月から毎日が日曜日となり、午前中はひとり座敷で過ごすことが多くなったので、ヒーターがついていても火鉢に炭が熾きていないと落ち着かない。

 やはり、手炙り程度の炭火でも自然の火は電気やガスの暖房では得られない心を和ませる暖かさがある。

 外に雪の気配を感じながら、この火鉢に炭を熾して湯を沸かしたり、餅を焼いたり、時に夜など家族と酒を燗したりするのが冬の日の楽しみである。

 我が家は、父が昭和20年8月の空襲の後に建て直した陋屋で、すきま風がいくらでも入って来るから、こんな火鉢がまだ活躍しているのである。 最新型の気密住宅ならあっという間に一酸化炭素中毒である。

 昨秋になじみの農家から買った餅の在庫もあと僅かとなった。 これがなくなったら、火鉢も蔵にしまうことにしよう。