雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

銀行預金が急増

 全国銀行協会が発表した6月末の全国銀行(都銀、地銀、信託銀等)の預金残高(末残)は、822兆1597億円となり、前年同月比で9.0%増とかつてない増加を示した。

 これまで2~3%前後の伸びで推移していたものが、4月以降増加が目立っており、ここにもコロナの影響が顕著に現れている。

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 預金増加の要因として考えられることは、

①個人は、1人当たり10万円の特別定額給付金が入金されたこと、また巣ごもりの徹底により、飲食や旅行をはじめとした消費活動が大きく落ち込んだことによる。

②企業は、先の見えない資金繰り不安から、実質無利子の特別貸付などの借りられる金はできるだけ借りて、手元資金を厚くしておこうという動きが広まっていることによる。

 我が国はコロナ対策に世界最大規模の財政支出をしていると言うが、そのうちのどれだけが本当に今日明日の支援を必要とする個人や企業に届いているのだろうか?

 少なくともこの銀行預金の増加を見る限り、かなりの無駄なカネが世の中にばらまかれていることを示していると思われるのだ。

 国債を財源とする財政支出は、緊急に支援を必要としている国民、そして体制強化が求められている医療や介護に的を絞って行うべきである。