雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

テレビのない日々

 数日前のこと、突然テレビが壊れてしまった。 画面が真っ黒になって音はすれども姿は見えずである。 考えてみれば、このテレビを買ったのは平成21年(2009)でもう14年、地デジ放送が始まった頃であった。

 致し方なくネットで新しいテレビを発注したが、納品まで時間がかかり、テレビのない日々が続いている。 私は普段あまりテレビは見ないが、それでもNHKニュースくらいは時間になると見ていたのが、見られないとなるとなんとなく落ち着かない。

 やむを得ず、非常用の小型ラジオ(昔で言うトランジスタラジオ)を食卓の上に置いて鳴らしているが、ラジオの声というのは昔の生活を思い出させるものがある。

 床屋で聞いていた高校野球、歯医者で聞かされていた株式相場、取引先の作業場で流れていた歌謡曲、夏休みのラジオ体操。

 ラジオはテレビのように視線を拘束することなく、暮らしと共存していた。

梅雨に入り庭のギボウシ(擬宝珠)が猛々しく繫ってきた