雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

大手饅頭

 長岡名物 紅屋重正の大手饅頭

 昔から長岡の町民が特別の日-入学式や卒業式、葬式や法事-の配り物として、また遠方へのお土産として第一に挙げる地元のお菓子である。

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 お酒がほのかに香る上質の皮に、北海道産の極上小豆と沖縄産の黒糖を使った漉し餡が調和する江戸時代の風味、酒元饅頭です。
文化二年(1805年)に紅屋重正は当時浮島の城または兜城と言われ栄えた、長岡城の大手門前に店を構えました。その大手門にちなんで命名された饅頭です。越後産の良質なもち米、長岡の銘酒吉乃川の酒糀、沖縄産黒糖、北海道産小豆、厳選された素材で蒸しあげた伝統の味。
長岡藩公牧野家の御用を承り、以来二百年、伝承の製法を貫き守り続けています。(消費期限:製造日より4日間)(紅屋重正のHPより)

 皮がすぐに乾いて固くなるため、今は一個ずつプラで包装されているが、以前は下の写真のように経木で包まれ、開けると酒饅頭の風味がふわーっと広がり、何とも言えず趣きがあった。

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紙包みを開くと蒸したお酒の香りが広がる

 地元の北越銀行が統合されるまでは、株主総会のお土産に大手饅頭を配っており、総会当日はこれがお目当ての株主が大勢押しかけ、なかにはお土産だけもらって総会の始まる前に帰る人など、長岡らしい光景が見られたものである。

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北越銀行株主総会お土産の大手饅頭(2017年6月)

 我が家の歴代の犬も大手饅頭が大好物で、総会や法事を楽しみにしていたものである。

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我家の初代犬クーが法事についた大手饅頭を一口で頬張る図(1995年9月)

 大手饅頭は出来立ての柔らかいものを食べるのが一番であるが、少し硬くなったものを焼いて食べるのも一興である。 今朝は火鉢で焼いてアツアツのパリパリしたものを食べた。

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火鉢はまだ活躍中である