雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

小林写真館のネコ

 今朝は時折雨まじりの強風が吹き、おまけに黄砂も舞っているようである。

 いつもの喫茶店を出て、小林写真館のショーウィンドウに今朝もネコが寝ているのを確かめる。

f:id:setuyaan:20210509143855j:plain

 いつの間にか、こんな張り紙が貼ってある。

 ”はる”は2006年に新潟市の古町で野良猫として保護され、NDN新潟動物ネットワークさんによる里親募集を通して私たちの家族になりました。

 いつの間にかこちらのショーウィンドウを気に入ってすやすや眠る様になり、寝床を用意してからというもの日中のほとんどはこちらで過ごす様になりました。

          ここでのんびりしているときは

             そっとガラス越しに

           可愛がってあげてくださいね。

 近づいて写真を撮っても身動きもしないで眠っている。2006年ということはもう15,6歳でひねもす寝てばかりいるのであろう。

f:id:setuyaan:20210509144702j:plain

これは今年の1月に撮った写真(2021.1.16)

f:id:setuyaan:20210509144832j:plain

小林写真館前の通り (2021. 1.16)

  ところで小林写真館と言えば長岡でも古くからの写真館で、先々代は小林銀汀という俳人でもあった。 「長岡歴史事典」(2004)によれば、

 小林銀汀(1889ー1977) 新傾向俳句のリーダー。本名国三郎(略)中学生のころ、来岡した河東碧梧桐に師事する。師亡きあと荻原井泉水の門下生となり同門の種田山頭火と親交を深め、彼の来岡を機に荒海吟社を結成、のちに伊夜比古吟社と改名。昭和44年井泉水賞を受け、同48年悠久山に句碑が建てられた。「山の名月に顔向けて居る」

 山頭火が銀汀らの招きで来岡したのは昭和11年(1936)5月のことで、小林写真館に滞在し、その二階より隣の互尊文庫(図書館)の若葉を眺めて「図書館は いつもひっそりと 松の秀(ほ)」という句を残している。(近くに句碑があるらしい)