雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

女王の国葬

 結局、台風14号は明け方の5時頃になって急に雨風が強まったものの、大したこともなく足早に過ぎ去っていった。 雨風の後は北からの冷たい風が吹きこんで、昨日の猛暑とは打って変わって、今日の日中は20度に届かず、半袖でも寒いくらい。

 ところで昨夜実況中継されたエリザベス女王国葬は、さすが大英帝国とうならせる一大セレモニーであった。 舞台となったウエストミンスター寺院の大伽藍にしても、登場人物の華麗な衣装にしても、英国に蓄積された過去の遺産を改めて世界に知らしめる機会となった。

 こんなものを見せられると、我が安倍晋三氏の「国葬」が如何にもちんけなものに思われてくる。 外面的にも内面的にもその差はけた違いではないか。 我が「国葬」は無宗教で行われるのだろうが、それなら自民党主催のお別れの会にでもしておけばいいのである。

 ゆうべの女王の国葬を見た後、触発されてベルリンフィルデジタルコンサートホールのアーカイブスから、2007年4月に行われたヘンリー・パーセル「メアリー女王のための葬送音楽」(サイモン・ラトル指揮)を視聴した。この曲は1695年にやはりウエストミンスター寺院で行われたメアリー女王の葬儀の時に演奏された曲で、聖書から採られた合唱曲を挟む冒頭と最後の金管(トランペット、トロンボーン各4)と太鼓2による行進曲が哀切さをにじませて荘重に響き渡る。


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