雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

蝙蝠

 昨晩のこと。我が家の階段を上がっているときに、何か頭の上をかすめていくものの気配を感じて見ると、一匹のコウモリが飛び回っているではないか。 あわてて部屋のドアを閉め、窓ガラスを開けて屋外へ出ていくように仕向けたが、ひらひらと廊下を飛び回っている。 そのうちに見えなくなったので、外に出たことを期待していたが、今朝になると、今度は部屋の中まで入って来て我が物顔に飛んでいて、なんとも気色が悪い。 武漢の何とか市場の売り物を連想してしまう。

 昔、明治21年(1888)の1月、長岡市敦賀屋という料理屋で日本石油株式会社(現エネオス)の設立を祝う宴会の席にコウモリが舞い込み、蝙蝠は福に通じると一同喜び、これを会社のマークにしたという故事があった。 ちなみに家内の曽祖父がこの時の出席者の中におり、後年その話が家族に伝えられていたというのである。

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日本石油のコウモリマーク かつてはガソリンスタンドの看板に使われていた

 その後、コウモリの姿はまた見えなくなったが、日中は寝ていて暗くなると活動を再開するのかもしれない。 外に出て行ってくれるといいのだが。