雪夜庵閑話

俗世を離れ、隠遁生活を始めた団塊世代です

思い出の日産車(2)

サニー(初代:1966-1970)

 私が初めて買った(親に買ってもらった)車は、中古の初代サニーであった。

 大学3年(1969)の春休みで、父親が近所の整備工場の親父に頼んでこれがいいだろうと選んでもらった。 多分3年落ちくらいの車であったが27万円もした。(新車は当時46万円) 1000CCのツードアセダンで3速コラムシフトであった。 

 デザインは奇をてらったところのない誠にシンプルなものであったが、リアのあたりがいかにもチープな感じで、同時期に出たカローラの細部に手を抜かず立派に見せるデザインに比べ見劣りがした。 エンジンは見たところはしょぼかったが非常に良く回り、軽い車体と相まって3速コラムシフトにもかかわらず峠道をビュンビュンと痛快に走った。

 ただし、車体が軽いということは帝国海軍の戦闘機のように余計なものを一切省いているということで、鉄板はペラペラ、シートは薄いビニール、勿論エアコンなどなく、夏など、三角窓をいっぱいに開け、うちわであおぎながら鉄板焼きのようになって渋滞の国道を延々と走ったものであった。

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サニークーペ(初代:1968-1970)

 セダンに追加して発売されたクーペは、リアの部分をスマートな丸みを帯びたスタイルにしただけだったが、ダサかったセダンとは全く雰囲気の違う車に仕立てられていて、峰岸龍之介がこの車を相棒に孤独な放浪の旅に出かけるCMにはいたくしびれたものであった。

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サニー 峰岸徹